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<開会挨拶>
酒井利夫(和歌山県 県土整備部長)

 和歌山県は、沿岸部が非常に起伏のある海岸線で、内陸部は深い山々が重なり、 その地理的な制約から道路整備なども大変遅れている。 例えば、道路整備の改良率はやっと50%超。各都道府県と比較しても下から2番目であり、 全国平均から見てもやっと25年前の全国平均に達したという現状である。 こうした理由から、この地域を訪れる観光客が不便を感じたことがあると思う。 しかし、逆に言えば、自然や歴史などの文化的な名所は俗化することなく残され、 貴重な観光資源になっているということも言えないだろうか。 実際、2004年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録されたことを機に、 観光客数は3,000万人を超えて過去最高となり、この地域においては「観光」という 言葉が地域振興にとって、非常に大きなキーワードになっている。
 和歌山県のみならず、「紀伊山地の霊場と参詣道」を中心とした紀伊半島全体の 魅力を更に磨き上げ、より多くの方々にこの地域を訪れていたくためには、 あるいはこの地域をもっと元気にするためにはどうしたらよいか。 これは行政だけではなく、地域住民にとっても大きな課題であり、 この課題を解くキーワードこそが、本日のテーマ「シーニック・バイウェイ」ではないかと 期待している。単に目的地に行くというだけではなく、寄り道をしながら、 また自分だけの新しい発見を楽しみながら通行できる道づくり、 それはハードの整備だけではなく、地域住民と様々な連携をし、共に活動していく、 そういう総体的なシステムが必要だと思う。
 約10〜15年前、日本では「道の駅」という制度が始まり、 当初日本全国で108ヶ所ほど作られたが、現在は700ヶ所以上に増加した。 この「道の駅」が、"点"として、地域の魅力を発信する制度であるとすれば、 「シーニック・バイウェイ」は、地域の魅力を"線"で繋ぎ、さらには"面"的な 広がりを持つ制度とも言えると思う。本日のシンポジウムを契機に、地域住民と一体となって、 地域の魅力づくりや活性化・地域振興を考えていきたい。


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