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■講師プロフィール
石田東生氏
(筑波大学社会工学系教授)
1951年大阪生まれ。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。 筑波大学社会工学系助教授、教授を経て、現在、筑波大学大学院システム情報工学研究科教授。 専門分野は、都市計画・交通計画。著書に「環境を考えたクルマ社会」(共著)など。

<基調講演>
「みんなでつくる美しいみちとまち」
石田東生氏
(筑波大学社会工学系教授)

「みち」の持つ本来の力を活かし、
「まち」を作り上げていく

 「シーニック・バイウェイ」とは何か? 一言で言えば、「みんなでつくる美しいみちとまち」 ということだと考えている。「道路」と言うと物理的な存在としての意味だけであるが、 「みち」というと「人と人とが付き合うこと」「一緒に協働すること」などの意味合いも含む。 「みち」が「まち」を形成する骨格となっていることを考えると、 「みち」と「まち」を同時に考える、つまり「みち」の持っている本来の力を活かしながら、 地域住民と一体となって「まち」を作り上げていくことが重要である。


「シーニック・バイウェイ」の主役は地域住民
 観光でその土地を訪れる人は、ポイントポイントの素晴らしい景色だけではなく、 移動する際に目にする景色も含め、全体のイメージや思い出を大切にするもの。 「国土の印象は、交通路線で移動しながら見る景色でおおよそ決まってしまう」
 12年前に「シーニック・バイウェイ」を開始したアメリカと比較して、 日本の景色はポイントポイントでは勝っていると思うが、連続性という意味ではまだまだ負けている。
 さらには、「親切な人がいた」「美味しいものを食べた」などの体験がその 地域全体のイメージ、旅行の印象として心に残るものである。その地域の雰囲気をつくり、 景色をつくっているのは、何よりその地域に住み、その地域を愛している人々である。 これらの人々の存在が「シーニック・バイウェイ」のポイントである。


行政は黒子として補助や支援を
 アメリカの活動体制は、国が一律に行うのではなく、 その地域に詳しい人が様々な価値を発見し、お互いに連携をしながら活動するというもので、 主役は地域・コミュニティであり、政府・行政は補助や支援を行うというもの。 具体には、地域の創意工夫で自由に使える補助金や、観光客を呼び込むための広報活動、 品質管理を維持させるための審査などを行う。活動のための資金やノウハウはきちんと 準備をする。あるいはブランドを維持するために厳しいことも時には言う。 行政は黒子であるが、こういう支援は行う。このことは私たちがアメリカから学ぶべきことである。


北海道における効果 〜ソーシャルキャピタルの充実〜
 日本では北海道において、地域が持つ独自性を活かした北海道版「シーニック・バイウェイ」 への取り組みが行われている。約2年が経過した現在の評価として、 体制づくりと地域住民の参加意欲の向上はおおむね達成できたが、その中身はまだまだ これからと考える。効果としては、「ソーシャルキャピタル(*)」の重要性が強く認識 されたことがある。旭川のある地区の調査では「他の地域の取り組みを知る機会」や 「街づくりや景観に関する情報を得る機会」「勉強をする機会」「考える機会」が 増加するという結果が得られた。また、道路の一定の区間を地域の方に管理を委任する 「ボランティアサポートプログラム」の実施団体も、「シーニック・バイウェイ」の 導入を契機に約5倍に増え、効果の一端ではないかと考えられる。

※信頼関係・規範・相互扶助・人的ネットワークなど、人と人や組織などとの繋がりを
   資本・資源としてとらえたもの。地域づくりにおいて最も重要と考えられる。



楽しみながら、地域一体となって、快適な地域づくりを目指す
 北海道では「シーニック・バイウェイ」導入により、「やる気が出てきた」 あるいは「難しくてよく分からなかったが、やればできるという気が出てきた」と 人の気持ちが変わりつつある。このような成果があるからこそ、「シーニック・バイウェイ」への 期待が高まり、全国的な広がりを見せているのだと感じる。
 これから皆さんには主体的に「何をしたいのか」ということを明確にしていただきたい。 さまざまな想いがあると思うが、さらに具体的に「何をしたいのか」ということを、 地域住民、産業関係者、行政関係者が考える。そして、お互いに対話しながら、 実現できることの拡大をさらに考えて進める。そのようなコミュニケーションの場を 持つことが「シーニック・バイウェイ」の本質なのだと考える。
 抽象的な話に聞こえるが、実際に「シーニック・バイウェイ」の活動が始まると、 実践につながるので、議論は具体的になり、焦点がぼけない。その中で、意 見の衝突などもあると思うが、何よりも楽しみながら、地域が一体となって、 より快適な地域づくりを目指すことが大切ではなかろうか。



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